誰かが私を笑っている 向うでも こっちでも 私をあざ笑っている
でもかまわないさ 私は自分の道を行く 笑っている連中もやはり
各々の道を行くだろう よく云うじゃないか
「最後に笑うものが最もよく笑うものだ」と
でも私は いつまでも笑わないだろう いつまでも笑えないだろう それでいいのだ
ただ許されるものなら 最後に 人知れずほほえみたいものだ
『人しれず微笑まん 樺美智子遺稿集』(三一新書)より