CDS続報

2009Mar.11/12:58

引き続きCDSについてです。
東京金融取引所が毎日公表する「J-CDS」という日本企業のCDSスプレッドがあります。CDSスプレッドというのは、証券化された各企業の倒産リスクが取り引きされる際、それを売ろうとする者と買おうとする者の希望する値段にどれだけの開きがあるかを示す値です。
J-CDSでは「CDS参考値」となっていますが、通常はCDSスプレッドと呼ばれ、それがプレミアム(リスクを引き受けた者が受け取ることのできる保証料)のレートとなります。たとえば、CDSスプレッドが1bp(ベーシスポイント=パーセンテージに100を掛けた値)の場合、債務1億円に対するプレミアムは1万円になります。
簡単に言えば、この値が大きければ大きいほど当該企業の倒産リスクが高いということを端的に示すということです。この値は、当然にも市場の厳然たる評価によって決まるものであるがゆえに、非常に客観性の高い予測となり、株価にも大きな影響を及ぼします。
通常、200bpを超えると株価の下落が始まり、400bpではその傾向が顕著に、700bpを超えると破綻の危機を孕むものと目されると言われています。
つまり、700bpを超えて、なお内部留保に乏しい企業は新たな資金調達が不可能化して破綻せざるを得ないということです。
俯瞰してみると、やはり新興資本の総体としての危機が浮き彫りになっているものの、多くの基幹的企業の値も世界水準からすればすでに恐るべきレベルに達していることは紛れもないでしょう。
アメリカにおいても、この三月期に入ってCDSスプレッドが過去最高をつけているために、それを引き受けている企業が多額のプレミアムの前払いを要求され、連鎖破綻の予兆をみせつつあります。

J-CDS
http://www.j-cds.com/jp/index.html

リーマン破綻時の三菱ストラテジストによるCDSスプレッド分析
http://www.sc.mufg.jp/inv_info/ii_report/fj_report/pdf/fj20080916.pdf

ハナシはかわりますが、みずほがいよいよマズい状況に陥っているようです。株価が絶望的に下がり続けるなか、先月末に発表された海外の機関投資家向けの850億円の出資証券の金利は、なんと14.95%というサラ金並みの水準だということです。なにはなくとも株価下落に歯止めを止めるための苦肉の策といったところでしょうが、逆効果もいいとこなんじゃないでしょうか。
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPnTK023878520090223

みずほフィナンシャルグループの株価推移
http://smartchart.nikkei.co.jp/smartchart.aspx?Scode=8411

しかし、同時に発売する国内個人向け社債の金利が2.5%前後だといいますから人を馬鹿にしたハナシです。
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/e257f0b9f196db535b9cc58b17567d6e/

なにしろ、この09年度に新たな不良債権を大量に抱え込むことになることは各行とも覚悟のうえで、自己資本比率の維持(5%をきれば即破綻)のためには、なりふり構わぬ金集めに必死の形相です。
しかし、実際のところ、来るべきCDSの破綻が、どれだけの出血量を強制するかということは誰にも分からない状態なので、果たしてそれで助かるかどうかさえ定かでないという悲惨な状況であることは間違いないでしょう。




CDS

2009Mar. 6/10:57

予想通り、この3月に入ってCDSによる企業の連鎖破綻が現実のものとなろうとしています。
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とはデリバティブ(金融派生商品)の一種で、簡単に言えば、債務不履行(デフォルト)、つまりは企業の倒産リスクを金融商品として取引しようというもので、その取引総額は6200兆円(アメリカ全体の発行株式時価総額の3倍)という巨額に上っています。
CDSはすでに世界の金融経済を網の目のように覆いつくしており、たとえば日本の各金融機関も自らの保有する債権にどれだけのCDSによるリスクが含まれているのかすら知ることさえできない状態であると言われています。
つまり、ひとたび大きなデフォルト(倒産)が起きた場合、そのリスクを引き受けていた別の企業が次々と連鎖的に倒産してゆく構造がすでに世界規模でできあがっているということです。


NHKのCDS解説

昨年のリーマンブラザーズの倒産を機にこのCDSをめぐる危機が顕在化し、ことの重大さを知ったアメリカ政府が遅ればせながら種々対策にのり出したものの、もはやどうすることもできない状態となっています。昨年から一部で3月危機説が囁かれていましたが、下記のニュースソースを参照していただければ、それがまさに現実のものとなろうとしていることが分かると思います。

シティ株が一時1ドル割れ、CDSスプレッドは過去最高水準に
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36839720090305

JPモルガンなど米銀の社債保証コスト、過去最高
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aZce6eazxaqU&refer=jp_japan

米GEキャピタルのCDSが初のアップフロント取引に=フェニックス・パートナーズ
http://jp.reuters.com/article/marketEyeNews/idJPnTK840087120090303

オーストラリアの社債保証コスト、過去最高-CDS取引が示唆
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aKSGbseMHy_I&refer=jp_asia

CDSによる連鎖破綻で最も被害を受けるのは金融機関です。今朝のニュースで米シティバンクの末期的危機が報じられましたが、まさに全米の銀行がこれに続くものと思われます。100行を超える米銀行の倒産が現実のものとなろうとしているのです。
当然にも日本の金融機関も無傷でおられるはずもありません。むしろドルにいまだドップリ依存している日本の金融機関こそが最も甚大な被害を蒙ることは必定と言えるでしょう。
現在高値で推移している円も、早晩これを反映して暴落することが予想されます。日本の金融資産の大部分が消えてなくなり、食料とエネルギーを輸入に頼る日本が完全に恐慌状態に叩き込まれることは避けられない情勢です。